外食業界が食の安心・安全のためにやるべきこと

メニューの誤表示や異物混入、食物アレルギーによる事故などが多発したこともあり、飲食店では食の安心・安全を守ることが最重要課題になっています。食の安全を考える上ではまず、厨房の衛生管理が大切だといわれています。衛生管理を少しでも怠って食中毒などを引き起こしてしまったら最悪業務停止なんてこともありえます。外食業界にとっては死活問題です。厨房の衛生管理に欠かせない3つの要素を紹介していきます。

1.食材の衛生管理

食材そのものを清潔に保つのは、飲食店にとって基本中の基本。ですが、使っている業務用冷蔵庫を信頼しすぎるのはよくありません。増殖スピードは遅いものの、冷蔵庫内でも菌は増え続けます。使用頻度の低い食材が傷んでいた、なんてことにならないよう、冷蔵庫内の食材も開封日と廃棄予定日がハッキリ分かるようにしておくといいでしょう。

また、冷蔵庫内の置き方にも注意が必要。冷蔵庫の下段にラップをしていない生野菜のサラダを置き、その上段に生肉を置いたとしましょう。もし上から1滴でも肉汁が落ちれば、その菌は野菜に付着してしまいます。食中毒防止のためにも、食材の配置や裸保管、直置きはNGです。もしスペースの問題で食材がうまく置けないのであれば業務用冷蔵庫の買い替えを考えてもいいかもしれません。厨房マーケットという業務用冷蔵庫の通販サイトでは有名メーカーの業務用冷蔵庫が安価で購入できるのでチェックしてみるといいでしょう。

2.従業員の衛生管理

ウイルスや菌にはさまざまな汚染ルートがあり、人間も媒介になりえます。そう考えると、従業員の健康状態チェックもかなり大事になってきます。自分が菌を持っていると知らないまま厨房に入り、感染リスクを高めてしまう可能性もゼロではありません。こまめな手洗いはもちろん大切ですが、爪の間に入った見えない汚れなどはアルコール噴射だけでは取り切れないもの。トイレ後などはもちろん、定期的に手を洗うことを習慣づけるのがベストです。

3.設備器具の衛生管理

どれだけ食材の衛生管理をしっかりしていても、それを扱う器具類や厨房が汚れていれば効果がありません。食品に直接触れるものは常に清潔に、そうでないものでも正しく管理することを心がけましょう。手洗いと一緒で、アルコール噴射に頼りすぎるのはNG。汚れをきちんと落とした後で殺菌しなければ意味がないと頭に入れておきましょう。

人間は同じ環境に長くいるとどうしても慣れが出てきてしまいます。ですが、それでは信頼を勝ち取るのは難しいでしょう。外食業界を生き抜くには常にまっさらな気持ちで衛生管理に取り組み、お客さんに食の安心・安全を届けていく必要があります。